舞台「転校生」を観た件

先日、「転校生」(女子校版)と云うお芝居を観ました。

https://stage.parco.jp/program/tenkosei2019

 

出演していた愛わなびさん( @zuruinee )目当てだったのですが……劇場のある紀伊國屋書店4階に上がると劇場入口の手前のほうに衣装を着てスマホを見ている愛わなびさんがいきなり居て面食らった。他にも劇場入口付近やロビーをウロウロしている出演者の方々がいらっしゃる……

客席についてみてなるほどと思ったのは、ステージが「教室」で、開演前にウロウロしている出演者の皆さんは「教室以外のどこか」にいて何かをしている演技を既にしていたのだった。

開演時間になり教室に集まってくる生徒たち。

そして生徒たちが多くなってくると、幾つかのグループが生まれ、そこかしこで同時多発的に会話が始まる。これにもビックリした。お芝居と云うモノは、基本的には誰かが台詞を喋って、次に誰かが喋って…って云うふうに進んでいくモノだと云う思い込みが有って、こういうお芝居の「自由さ」を忘れていたから。

同時多発的な会話がいろいろ生まれたり集束したりして進んでいくのだなぁと思って観ていたところに、いきなりの「転校生」……そういえばこのお芝居のタイトルは「転校生」だった。

なんでも朝起きたら突然この学校の生徒になっていたのだと言う……学校の課題でカフカの「変身」を読んでいた生徒がいて、その転校生の話を聞いて「変身」だと言う……なるほど不条理である。こういう不条理もお芝居ならではなのだろう。

そのまま転校生の件は解決されずに、教室での生徒たちの様々な会話が聞こえながらお芝居は進んでいって、夕方になってみんな下校していき、終幕となる。

(ちなみに授業のシーンは無い。1時間目の授業の先生は休みで自習?、他の授業は移動教室だったり、昼休みの昼食のシーンなどありながら、時間が進んでいく)

 

あまりお芝居を見に行くほうではないので、久しぶりに「自由な」お芝居を観て、なんと言うか、頭の中の天井が高くなったような、不思議な気持ちになった。

 

愛わなびさんの声はとてもよく通る声で、素敵な女優さんになっていくんだろうな、という期待を抱いた。